賭博師 梟(FUKUROH)

 

 

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(前回の「梟」より/in渋谷ジァンジァン)

 

博奕(しょうぶ)をしよう。お互いのすべてを賭けて闘うんだ…
昨春渋谷ジァン・ジァンの再演─
1999年秋、あのアウトローたちが帰ってきた
さいふうめい渾身のピカレスク・ロマン
焼跡勝負師シリーズ第1弾の再登場です

 

 

敗戦直後一九四七年、焼け跡の函館─時代の巨大なうねりの中、非情苛烈な生を求める無頼者たち。もと「人間魚雷」や非合法下の党員、祖先の土地を奪った日本人を憎み尽くすアイヌの男フクロウ、そして底辺の女たち…。

彼らを集めたのは女衒の女ミイ、日本政府の提供した進駐軍向けの売春組織RAA(特殊慰安施設協会)に抵抗して独自の別組織を作った女侠、今は賭場「五稜郭」の主。

旧幕府軍榎本武揚らは敗けると分かっていながら五稜郭に立て籠もった。その戦いで命果てた無名戦士たちの霊は、現在も函館郊外の「碧血碑」に祀られている…。

「碧血碑」─義に殉じて死んだ武人の血は三年経つと碧色に変わるという…。

賭場「五稜郭」で男たちは命の次に大切な金を賭けて戦っていた…はずだった。しかし、そこで賭けられていたものは、それぞれの人生、悲哀や孤絶の中に切り拓いた自らの命運そのもの、高貴な精神、魂の輝きのかけらではなかったか!

一九九〇年、戯曲「星に願いを」で文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞の気鋭の劇作家さいふうめいが、文学座のベテラン演出家岩村久雄とコンビを組み、春公演「軍鶏たちの夜」に続いて贈る「賭博師 梟(FUKUROH)」、静謐と狂熱の織り成す詩情豊かな感動の舞台!